2015年8月20日木曜日

Japanese translation of message from AFRR (Anarchistische Foederation Rhein Rhur) ライン・ルール地域アナーキスト連合からのメッセージ

 English Version is in Preparation:
  ドイツのアナーキストグループAFRRからのメッセージ(2015年8月6日の広島集会で上映された英語のビデオメッセージ+ドイツ語メッセージより)

 ドイツのライン・ルール地域アナーキスト連合(AFRR)のルーラとマイクです。よろしく。

質問1)いつ頃から、どうしてAFRRは創設されたのでしょうか? 

答え:ライン・ルール地域アナーキスト連合は、数名の有志によって生まれました。組織の名前は、この地域につけられた名前から取られています。
 当地ではこれまで、私たちが重要だと思うようなアナーキストのグループやイヴェントはそれほど多く見られなかったのです。
 しかし当地は、ドイツ全体の中で最も人口が多い地域です。したがって、私たちは、当地には潜在的に大きな可能性があり、当地でネットワークを創り出すことは容易であると考えたのです。
 2012年の夏に数名がはじめて会合を持ち、8月にボーフムで開催されたリベルテール・メディア・メッセの場で、当地における地域レベルのアナーキスト連合を創設する構想について報告しました。この報告会に約50名が参加しました。
 その後この参加者たちは、それぞれの地方ごとで会合を開くようになりました。こうして最初の地方および地域レベルの関係性が作り上げられ、その一部がやがていくつかのグループを形成したのです。
 こういった動きと並行して、私たちは、すべての大都市においてアナーキストのグループもしくはその創設の動きを支援しました。実際、そういったグループの一部は、私たちの主導によって創設されました。

 これらのグループのすべてがライン・ルール地域アナーキスト連合として組織に組み込まれているわけではありません。しかし私たちは、これらすべてのグループと緊密な関係を作り上げ、たとえばキャンペーンを協同で実行することもあります。 

質問活動的なメンバーはどれぐらいいますか。 

答え: 現在、連合には6つのグループが属しています。何人かは、グループがある場所に住んでいないといった理由で個人加盟しています。メンバーの数については公表できません。

質問3)あなたたちの組織には、アナーキズムの諸潮流のうちでなにか特定の思想が影響を与えていますか? 

答え:もちろん、アナーキスト連合ですから、私たちは自由連合主義に依拠しています。ですから、連合に加わっているすべてのグループは完全に独立しており、それぞれのアジテーションなども、自立的に実行しているのです。 
  しかし、重要なのは、これらのグループが完全に分離するのではなく、一つの組織のなかで協同で行動し、調整しながらアジテーションを行うことにより、運動がいっそう強力になる、という点だと思っています。 
 こういった考え方に基づいているものの、私たちの間でとりたてて何らかのアナーキズムの潮流が重視されているということではありません。アナルコ共産主義者を自認する者もいるのですが、アナルコサンディカリストもいるかもしれません。 
 もしくは、私たちの組織は、さまざまな潮流のアナーキストを合流させようとする試み、統合的アナーキズムを実現させようとしている組織と見なすこともできるでしょう。
 しかしたいていのメンバーは、支配のない社会に向けて活動する人間、つまり、単なるアナーキストであるとして自覚しています。

 質問4)AFRRはどうやって会合を開いていますか。図書室やインフォショップのような特定の集会所はありますか(写真はある集会の様子)  

答え:AFRRは、毎月定期的に会合を開いています。開催される場所として定まったところはなく、いずれかのグループが毎月会場を見つけてきて会合を開催しています。
  こういった会場は、たいていは、社会センターやインフォショップといった各地の運動シーンと結びついた場所です。
 しかし会合にはすべてのメンバーが参加するわけではありません。
 それぞれのグループが1名もしくは数名の代表者を送り、彼ら代表者がそれぞれグループの立場と決定を代弁します。
 これら代議員は、AFRRの会合で話し合われたこと、決議されたことを彼らが所属するグループの持ち帰る責任を持ちます。 
 会合での決議については、その後、それぞれのグループで話し合い、同意を得るか、もしくは否決されることになります。 
  したがって、参加者たち自身には決定権が委ねられ、全員が提案をすることも可能です。このような決定の方法は、ことによると部外者には、大変厳格に運営されているかのように聞こえるかもしれませんが、現実にはすべてが比較的ゆるやかに運営されています。

質問5)市民運動など他の運動と、たとえば平和運動もしくは環境運動、人権運動という枠組みの中で共同行動はありますか?(写真:2015630日にエッセンで行われたアウトノーメ/アンティファとの共同行動「反人種主義デモ」)

答え:市民運動の組織との共同行動はそれぞれの地方レベルで行われます。
 たとえば2015年には機関士によるストライキがありました。地元のメディアの報道はとてもネガティヴなものでした。
 そこでドルトムントのアナーキストグループがこのストライキを支援しました。また、このストライキの目的について一般の人びとがわかるように説明していきました。 
 こういった例外を除けば、市民運動との共同行動はほとんどありません。状況に応じてどうするかが決められています。基本的に、私たちは独自の行動を展開しています。
 しばしば市民運動は、部分的な改革のみを目指し、システム全体の変革については不問に付しています。これに対して、私たちは、アナーキストとして誰かに対して要求をするということはしません。
 そうではなく、むしろ、自分たちが自分たち自身でやりたいことがなんであるかに気づいていきたいと思っています。市民運動と協力するよりは、社会的な闘争、そして闘う人びとをラディカルにしていきたいのです。私たちは闘争の中に革命的なアプローチを取り入れていきたいのです。
 目標はあくまでも、市民運動から独立して闘争可能な強力なアナーキズム運動をつくることです。
 もちろん特定の状況においては共同の行動にも意味があります。ようするに、すでに述べましたが、ケースバイケースで市民運動と協力するかしないかを決定していくことになります。 

質問6)アジアやアフリカのアナーキストとコンタクトがありますか? 

答え: 残念ながら私たちはアジアやアフリカのアナーキストとは全くコンタクトがありません。このインタビューが、このような状況を変えるかもしれません。
 私たちは、グローバルなネットワークを作り上げることが重要だと思っています。私たちが闘っているさまざまな不公正は、グローバルなレベルでも闘争の対象であることもあります。
 また、ヨーロッパでは、自分たちの思考や行動があまりにもヨーロッパ中心的である、とか、私たちが注目するのが西側、とりわけヨーロッパの問題だけに特化しすぎている、という点についてよく話し合っています。
 ですから地球上のさまざまな場所にいるアナーキストを結びつけるということはさまざまな意味があります。 

質問7)核エネルギー、核兵器、広島と長崎、そして戦争について個人的な見解があればお聞かせください。 

答え:  私たちは核エネルギーに対して強く反対しています。チェルノブイリと福島の事故によって示されているとおり、核エネルギーは環境を破壊し、きわめて危険だからです。
  広島・長崎に対する原爆投下については、これまでしばしば、攻撃を正当化する側による議論がなされてきています。すなわち、第二次世界大戦は広島と長崎に 対する原爆投下によって、原爆投下がなかった場合よりもずっと早期に終結することができたのであろうか、それによって多数の人命を救うことができたのであ ろうか、と。
 しかしこの問いに対しては単一の回答があるわけではありません。また、実際に原爆投下は実行されてしまったのです。
 私たちアナーキストにとってより重要な問題は、戦争が始まる前にどのようにして阻止できるか、というものだと思います。
 共産主義者、社会主義者、アナーキストは1936年にファシストと闘っていたのに、連合国は傍観していました。もし、第二次世界大戦の勃発を回避することについて、連合国が関心を持っていたら、スペイン内戦に対して何らかの形で介入したに違いありません。
 しかし実際には連合国側は、フランコ将軍がドイツとイタリアという二つのファシズム国家による支援の下で民主主義と進歩的なスペイン共和国をきわめて残虐な方法で抑圧することを傍観していたのです。
 私の個人的な意見ですが、戦争を防止する最も重要な活動は、人びとに対する啓蒙活動であり、私たちが生きているこの世界とは異なる現実的なオルターナティヴを作り出すことだと思います。そうすれば、人びとは戦争に対して「ノー」と言うでしょう。
 武器を作る労働者がいなければ、そして、指揮官に従う兵士がいなければ、戦争を起こすことは不可能になるでしょう。

質問8:広島集会に参加したすべての人々になにかメッセージはありますか。

答え:核エネルギーと戦争は常にグローバルな問題です。したがって、私たちの闘争は、常に国家・民族や民族に対立する性格を持ち、国境を越える世界規模のものとなります。私たちは地球全体で、現実に連帯を実現していかねばなりません。私たちは、皆さんの会議に参加できません。でも、私たちは、ともに同じ闘争で闘っています。地球の反対側にいる同志であるみなさんが、私たちと同じように感じ、そして活動している。そのことが、私たちを勇気づけてくれます。とても良いイヴェントになることをお祈りしています。アナーキー万歳!(ブログの写真より:資本主義を廃止しよう、国家を乗り越えよう、アナーキズムを組織しよう)

2015年8月17日月曜日

No.19 of Japanese Journal "Anarchism" was published on May 25 of this year 『アナキズム』誌第19号が5月に刊行されました。

ONLINEアナキズムより
『アナキズム 第19号』
【発行・『アナキズム』誌編集委員会】2015年5月25日発行・204P・定価[1389円+税]2015年5月25日発行・204P・定価[1389円+税]
注文(you can order from here)は→こちら
もしくは以下で販売中you can buy hereイレギュラー・リズム・アサイラム 

特集 バクーニン―生誕200周年― 
うらたじゅん:バクーニンとノーブラ女/ 久保隆:バクーニン論――『国家制度とアナーキー』の世界/塙輝隆:バクーニン、第一インターを去る?!/田中ひかる:バクーニン生誕200年記念集会参加記/ ギロヤン:少年とバクーニン/ 小林坩堝:影絵譚/ 訳・森川莫人:バクーニン入門/ 森川莫人・編:バクーニン略伝/(以下、特集外)白仁成昭:宗次は妙齡にして僅かに成童たり――幸德秋水、大杉栄が読んだ衆道物語/ 後藤乖:アナーキーな生と性 近代思想としての三人婚(Ⅰ)/ 權田菜美:NORA BRIGADE一考/前田年昭:不寛容な気分の時代にあえて復讐の権利を歴史的に考察し、逆転左フックへ!――抜かずの刀が最高、飛び道具なんて下の下という真正暴力革命論序説/ のんきち・乱乱・タナカ:三バカのバカアナ談義~「息苦しいアナーキズム」から足を洗う方法とは?~/マレイ=ブクチン(訳・森川莫人):スペインのアナキスト(十一)/ 表紙デザイン・本文組版:具羅夢(永田眞一郎)
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Anarchism Vol. 19 Contents
Special Issue: Bicentennial of Mikhail Bakunin
Bakunin and Braless Woman by Jun Urata
Bakunin – The World of “Statism and Anarchy”by Takashi Kubo
Bakunin, Left the First International?! by Terutaka Hanawa
Notes on Participating on the International Conference for Bicentennial of Mikhail Bakunin by Hikaru Tanaka
A Boy and Bakunin by Guilloyan
Tales from Shadow Picture by Kanka Kobayashi
Basic Bakunin by Anarchist Federation (translated by Bakuto Morikawa)
Biographical Sketch of Bakunin edited by Bakuto Morikawa
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On a homosexual Story which pleased Kotoku Syusui and Oosugi Sakae   by Seisyo Sirani

Anarchic Life and Gender: Ménage à trois as a modern thought   by Kai Goto
A Thoughts on NORA BRIGADE by Nami Gonda
An Introduction to the Genuine Armed Revolution by Toshiaki Maeda
Round Table Talk by Three Silly Anarchists  by Nonkichi, Ranran,  and Tanaka
The Spanish Anarchists (Chapter 9, last part) by Murray Bookchin (translated by Bakuto Morikawa)
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Typesetting by Guramu (Shin'ichiro Nagata)
Cover Design by Akame
25th May, 2015, Edited and Published by Anarchism Editing Committee
New-white bld. 3F, 1-30-12 Shinjuku, Shinjuku-ku Tokyo, Japan
Tel: 81-3-3352-6519


2015年8月15日土曜日

Past and Present of the CIRA-Japana (Center of International Research for Anarchism, Japan) : Focusing on Visual Materials at the Hiroshima Gathering of August 6, 2015) is posted on the website of CIRA-Japana. 「アナキズム文献センターのあゆみと現在」PDFファイルで公開

「アナキズム文献センターの歩みと現在~ビジュアル資料を中心に~、2015.8.6 広島集会報告資料」がPDFファイルで、アナキズム文献センターのウエブサイトで公開されました。The PDF file of "Past and Present of the CIRA-Japana (Center of International Research for Anarchism, Japan) : Focusing on Visual Materials at the Hiroshima Gathering of August 6, 2015) is posted on the website of CIRA-Japana.



2015年8月13日木曜日

Japanese Translation of "Aufruf zum Sozialismus" by Gustav Landauer is published グスタフ・ランダウアー著、寺尾佐樹子訳『自治-協同社会宣言 社会主義への呼びかけ』(同時代社)刊行されました

現代社会を生きるための必読文献です。約100年前に刊行された本ですがいまだに新しい。ついに日本語訳が出ました。この内容でこのよみやすさ。2200円+税は決して高くありません。書店・ネットでぜひご購入ください。

(以下本文より抜粋)

「ここで呼びかけられているのは、もうこれ以上は我慢もできないし、したくもない人びとです。」

「大衆、人間性を持った民衆、支配する者とされる者、相続者と廃嫡者、恵まれた者と裏切られた者にこう呼びかけるのです。」

「利潤のために経済が運営されているというのは、巨大かつ解消しがたいこの時代の恥である。あなた方が直面するあらゆる戦争状態、国家体制、自由の抑圧、階級としての憎悪は、あなた方を支配する野蛮な蒙昧に由来しているのだと」

「もし私たちが社会を望んでいるのなら、それを建設し、実践していくことが肝心です」

 「社会主義はたち戻りです。社会主義は新たな始まりです。自然との再接合、精神が再び満たされること、絆の再獲得です」

「私たちは何のために働くのかを学び、それを実践する以外に、社会主義への道はありません。」

「すべては個人から始まります。すべては個人にかかっているのです。」

「現実としての社会主義は、学び取っていくしかありません。社会主義とは、すべての生と同じように試みなのです。」

「私たちは知っています。「ここが新天地でなかったら、新天地などどこにもない」ことを。今この瞬間に行動しないなら、もう絶対に行動することなどないのです。」